いつも通勤・通学お疲れさまです。
この記事をご覧の皆さんは、旅行や鉄道に乗ることが好きな方が多いかと思います。
そのような「今の時期はフリーきっぷが無いけど、少しでも安く乗り鉄したい」「お得に鉄道旅行がしたい」などとお考えの方に、今回はコスパ良く鉄道に乗れる方法をご紹介しようと思います。
①往復割引乗車券
往復割引乗車券とは、片道が601km以上の距離の駅間を往復する場合で、行きと帰りの乗車券を同時に購入する場合に適用さえれます。
発売額は、行き(往路)と帰り(復路)の片道運賃をそれぞれ1割引とした金額の合計となり、
有効期間は、往路と復路それぞれの有効期限の合計になります。
(普通乗車券の発売)
第26条
旅客が、列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、片道乗車券、往復乗車券又は連続乗車券を発売する。
(1)片道乗車券
普通旅客運賃計算経路の連続した区間を片道1回乗車(以下「片道乗車」という。)する場合に発売する。ただし、第68条第4項の規定により営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する場合は、当該打切りとなる駅までの区間のものに限り発売する。
(2)往復乗車券
往路又は復路とも片道乗車券を発売できる区間であって、往路と復路の区間及び経路が同じ区間を往復1回乗車(以下「往復乗車」という。)する場合に発売する。ただし、往路と復路の経路が異なる場合であっても、その異なる経路が第16条の3に掲げる左欄及び右欄の経路相互である場合は往復乗車券を発売する。(往復割引普通乗車券の発売)
第32条
旅客が、片道営業キロが600キロメートルを超える区間を往復乗車する場合は、往復の割引普通乗車券を発売する。(往復割引)
第94条
第32条の規定により往復乗車する旅客に対して往復割引普通乗車券を発売する場合は、往路及び復路ごとの区間について、それぞれ普通旅客運賃の1割を割引する。(有効期間)
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則より引用
第154条
乗車券の有効期間は、別に定める場合の外、次の各号による。
(1)普通乗車券
イ 片道乗車券
営業キロが100キロメートルまでのときは1日、100キロメートルを超え200キロメートルまでのときは2日とし、200キロメートルを超えるものは、200キロメートルまでを増すごとに、200キロメートルに対する有効期間に1日を加えたものとする。ただし、第156条第2号に規定する大都市近郊区間内各駅相互発着の乗車券の有効期間は、1日とする。
ロ 往復乗車券
片道乗車券の有効期間の2倍とする。ただし、第26条第2号ただし書に規定する場合は、往路及び復路の区間ごとに片道乗車券の計算方法によって計算した有効期間を合計した期間とする。
東京駅から片道601kmとなりますと、以下の表のようになります。
駅名 | 経由路線 | 距離 | 駅名 | 経由路線 | 距離 |
西明石駅 | 東海道新幹線・山陽新幹線 | 612.3km | 垂水駅 | 東海道・山陽本線 | 602.6km |
二戸駅 | 東北新幹線 | 601.0km | 鑓見内駅 | 東北本線・田沢湖線 | 603.2km |
羽後牛島駅 | 高崎線・上越線・白新線・羽越本線 | 602.9km | 木ノ本駅 | 北陸新幹線・北陸本線 | 604.7km |
上記の表のとおり東京駅起点かつ最短距離で考えますと、大阪・神戸・盛岡などでは距離が足りないので、岡山・秋田・青森などさらに遠くへ行くときに使えます。
有効期限は、601~800kmですと片道5日となりますので、往復で10日間有効となります。
②学生割引乗車券
学生割引乗車券とは、JRから指定を受けた中学・高校・大学・専修などの各種学校の学生・生徒で、利用区間の片道営業キロが100kmを越える場合に運賃が2割引になります。
上記の「往復割引乗車券」や下記の「一筆書き大回り普通片道乗車券」「連続乗車券」にも適用できます。
利用するには、学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」を購入する際に窓口ヘ提出する必要があります。
(学生割引普通乗車券の発売)
第28条
東日本旅客鉄道株式会社学校及び救護施設指定取扱規則(昭和62年4月東日本旅客鉄道株式会社公告第6号)第2条に規定する学校(以下「指定学校」という。)の学生又は生徒が、片道の営業キロが100キロメートルを超える区間を旅行する場合で、第29条の規定による学校学生生徒旅客運賃割引証を提出したときは、その旅客運賃割引証1枚について1人1回に限り、割引普通乗車券を発売する。(学生割引証)
第29条
指定学校の学生又は生徒は、前条の規定によって割引普通乗車券を購入する場合は、その在籍する指定学校の代表者から割引証の番号・学校種別又は指定番号・部科及び学年(又は年次)・学生証、生徒証又は児童証等(以下「証明書」という。)の番号・使用者の氏名及び年齢・有効期限(通信による教育を行う学校にあっては、有効期間)・発行年月日・学校所在地(通信による教育を行う学校にあっては、面接授業又は試験会場の所在地を含む。)、学校名並びに学校代表者の氏名が記入され、発行台帳に対して契印の押された学校学生生徒旅客運賃割引証の交付を受け、それに乗車区間及び乗車券の種類を記入して提出するものとする。2 学校学生生徒旅客運賃割引証の様式は、次のとおりとする。
一般学校用
備考
(1)この割引証は、緑色刷りとする。
(2)この様式は、必要に応じ、変更することがある。
通信教育学校用
備考
(1)この割引証は、緑色刷りとする。
(2)面接授業又は試験の場合は、学校所在地欄の在籍校所在地住所上部に面接授業会場又は試験会場とかっこ書きし、当該面接授業又は試験会場所在地住所を記入する。
(3)この様式は、必要に応じ、変更することがある。
3
学校学生生徒旅客運賃割引証の有効期間は、一般学校用のものにあっては発行の日から3箇月間、通信教育学校用のものにあっては面接授業又は試験期間の初日の10日前から終了日の5日後までの期間とする。ただし、一般学校用のもので、東日本旅客鉄道株式会社学校及び救護施設指定取扱規則第11条第3項又は同条第4項の規定による有効開始日又は有効期限の表示のあるものは、その期間内の日を乗車券の有効期間の開始日とする場合に限る。(学生割引)
第92条
第28条の規定により学生又は生徒に対して割引普通乗車券を発売する場合は、大人普通旅客運賃の2割を割引する。
2
第32条の規定による往復乗車をする学生又は生徒に対して、学生割引の普通乗車券を発売する場合は、往路及び復路の区間ごとに、それぞれ第94条の規定による割引の普通旅客運賃の2割を割引する。(旅客運賃・料金割引の重複適用の禁止)
第76条
旅客は、旅客運賃・料金について2以上の割引条件に該当する場合であっても、同一の乗車券類について、重複して旅客運賃・料金の割引を請求することができない。
2
前項の規定にかかわらず、学生割引普通乗車券を購入する旅客は、第94条に規定する往復割引の普通旅客運賃に対して、第92条に規定する学生割引の適用を請求することができる。(割引の旅客運賃・料金)
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則より引用
第74条の2
割引の旅客運賃・料金は、別に定める場合を除き、大人の無割引の旅客運賃・料金(第66条の規定により旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金とをあわせ収受する場合はその合算額。以下この条において同じ。)又は小児の無割引の旅客運賃・料金から割引額(第66条の規定により旅客運賃と鉄道駅バリアフリー料金とをあわせ収受する場合は、その合算額により計算する。以下この条において同じ。)を差し引いて、は数整理した額とする。
2
往復乗車又は連続乗車する場合の割引の普通旅客運賃は、第90条の規定に準じ、各区間ごとに割引額を差し引いては数整理した額(割引の適用がない区間については、無割引の片道普通旅客運賃)を合計した額とする。
③株主優待乗車券
株主優待乗車券とは、主に私鉄各社が株主に送っている優待券で、発行会社線内のみ有効で下記のようなものがあります。
種類 | 効力 |
片道乗車券 | 1枚につき片道1回 |
定期乗車券 | 有効期限内なら回数制限なし |
割引券 | 乗車券等の購入に1枚につき1回 |
株式を保有していない方は、金券ショップなどに転売されているのを購入することで入手できます。
しかし、金券ショップなどでの発売金額はその場の状況により変動しますので、利用予定の区間の運賃と比較してから購入することをおすすめします。
④大都市近郊区間内の取り扱い
大都市近郊区間とは、JR各社が東京・新潟・仙台・大阪・福岡に設定した特定区間です。
この範囲内のみを乗車する場合は、経路に関係なく最短距離で運賃が計算されます。
これを利用することで、例えば関東で「新宿→品川→茅ヶ崎→橋本→八王子→倉賀野→大宮→池袋」という経路で利用したとしても、「新宿→池袋」の最短経路での運賃が請求されますので、「単純に列車に安く乗りまくりたい!」という方に向いています。
- 同じ駅・区間を2回通ることはできません。
- 途中で駅から出ること(途中下車)はできません。
運賃計算の特例
大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例
東日本旅客鉄道株式会社 運賃計算の特例より引用
- 図のそれぞれの大都市近郊区間内のみを普通乗車券でご利用になる場合は、実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます。
- 重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできません。途中で下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額をいただきます。
⑤一筆書き大回り片道乗車券
一筆書き大回り片道乗車券とは、簡単に言うと一筆書きの経路で購入する大回りの片道乗車券です。
JR各社の運賃は、基本的に距離が長ければ長いほど1kmあたりの運賃の割引率が大きくなります。
また、上記の大都市近郊区間を越える乗車券の場合は途中下車が可能となります。
これを利用して、あえて大回りの経路で購入することで運賃を抑えつつ長い距離を乗車できます。
- 同じ駅・区間を2回通ることはできません。
- 乗車済みの区間には戻ることはできません。
これを利用して、「東京→米原→金沢→上野」という経路の乗車券を購入した場合を例にしますと、
東京駅から東海道新幹線を利用して名古屋駅で途中下車し、名古屋城などの観光や味噌カツ・ひつまぶしなどを堪能して、特急しらさぎ号を利用して金沢駅で途中下車し、兼六園・武家屋敷などの観光や金沢カレー・海鮮・加賀料理を堪能して、北陸新幹線を利用して上野に帰るという行程が切符1枚でできます。
⑥連続乗車券
連続乗車券とは、一部の区間が重複して、上記の往復乗車券や大回りの片道乗車券などを発売できないときに発売される乗車券です。
運賃は、重複が始まる駅の前後でそれぞれ計算され、その合計額となりますので、「一筆書き大回り片道乗車券」と比較すると若干割高にはなります。
しかし、有効期限はそれぞれの区間の合計となりますので、距離が伸びた分だけ長くなります。
これを利用して、上記の「一筆書き大回り片道乗車券」の例と組み合わせると、下記のとおり米原から京都・大阪にも立ち寄れることになり、さらに多くの観光地に行ったり多く列車に乗ることができます。
1枚目…東京→米原→大阪 2枚目…大阪→米原→金沢→上野
乗車済みの区間には戻ることはできません。
乗車区間が1周を超える場合または乗車区間が重なる場合の運賃
乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、営業キロ、換算キロまたは運賃計算キロは1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算します。このような場合は片道乗車券ではなく連続乗車券となります。この場合の有効期間はそれぞれの区間の営業キロに応じた有効期間を合算したものとなります。例
1)乗車区間が一周してさらに超える場合a.名古屋~国府津~御殿場~沼津間(幹線)の営業キロは348.5キロ。は数は切り上げて349キロとします。運賃は6,050円です。
b.沼津~名古屋間(幹線)の営業キロは239.8キロ。は数は切り上げて240キロとします。運賃は4,070円です。全区間の運賃はaとbを合計して10,120円になります。
例
2)乗車区間の一部が往復となる場合A駅からB駅を経由していったんC駅まで旅行し、さらにC駅からB駅を経由してD駅まで旅行する場合、A→B→Cのキロ数(イ)で算出した金額とC→B→Dのキロ数(ロ)で算出した金額を合計して計算することができます。また、A→B→Dまでの乗車券がB駅で途中下車できるものである場合は、A→B→Dまでの乗車券とB~C間の往復の乗車券を別々に購入することもできます。
東日本旅客鉄道株式会社 乗車区間が1周を超える場合または乗車区間が重なる場合の運賃より引用
(旅客運賃・料金計算上の営業キロ等の計算方)
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則より引用
第68条
営業キロ又は擬制キロを使用して旅客運賃を計算する場合は、別に定める場合を除いて、次の各号により営業キロ又は擬制キロを通算して計算する。
(1)営業キロ又は擬制キロは、同ー方向に連続する場合に限り、これを通算する。
(2)当社と通過連絡運輸を行う鉄道・軌道・航路又は自動車線が中間に介在する場合、これを通じて連絡乗車券を発売するときは、前後の旅客会社の区間の営業キロ又は擬制キロを通算する。
2
前項の規定は、運賃計算キロを使用して幹線と地方交通線を連続して乗車するときの旅客運賃を計算する場合に準用する。
3
第1項の規定は、営業キロを使用して料金を計算する場合に準用する。
4
前各項の規定により、旅客運賃・料金を計算する場合で次の各号の1に該当するときは、当該各号に定めるところによって計算する。
(1)計算経路が環状線1周となる場合は、環状線1周となる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
(2)計算経路の一部若しくは全部が復乗となる場合は、折返しとなる駅の前後の区間の営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
(3)新下関・博多間の新幹線の一部又は全部と同区間の山陽本線及び鹿児島本線の一部又は全部とを相互に直接乗り継ぐ場合は、次により計算する。
ア 山陽本線中新下関・門司間及び鹿児島本線中門司・小倉間の一部又は全部(同区間と同区間以外の区間をまたがる場合を含む。)と山陽本線(新幹線)中新下関・小倉間(同区間と同区間以外の区間をまたがる場合を含む。)とを新下関又は小倉で相互に直接乗り継ぐ場合は、新下関又は小倉で営業キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
イ 鹿児島本線中小倉・博多間の一部又は全部(同区間と同区間以外の区間をまたがる場合を含む。)と鹿児島本線(新幹線)中小倉・博多間(同区間と同区間以外の区間をまたがる場合を含む。)とを小倉又は博多で相互に直接乗り継ぐ場合、小倉又は博多で営業キロ又は運賃計算キロを打ち切って計算する。
(注)東海道本線中金山・名古屋間と中央本線中金山・名古屋間とは同一の線路である。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
乗車券の買い方や種類次第で、意外とフリーきっぷなどが無くてもある程度オトクに乗ることができますし、複数の観光地を巡ることもできます。
皆さんの旅行や乗り鉄などで行程を組むときの参考になれれば幸いです。
では、皆さんよい旅を♪
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